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514 :大人になった名無しさん:2010/03/15(月) 23:28:03
生物学的には両親のいない子供は存在しないが、
社会学的には両親のいない子供が存在する。

僕は物心ついた頃から児童養護施設で暮らしていた。
親がいると会える喜びがある反面、
親の都合で施設を入ったり出たりして、
子供は振り回されるばかり。
その点、僕みたいに両親がいないと、
ずっと施設で暮らせる分、心の平静を保つことができた。

あの頃の記憶は今でも強烈かつ鮮明に残っている。
親から「じゃあ、またね」と別れを告げられ、深夜まで泣き続ける子。
もう絶対に会いに来ないお母さんを待ち続ける子。
次お母さんに会える日を何十日も前から指折り数えている子。

そんな子に社会の風は冷たい。
両親の来ない授業参観、両親のいない運動会。
養護施設に対する強烈な偏見。
友達の家に遊びに行ったら、
「うちは4人までしか入れないから○○君は入れない」と突き帰されたことなんて何度もある。
服が汚れているとすぐに「養護育ちは」と言われるから、
身なりにも態度にも気をつける子供時代だった。
少しでも隙を見せると社会は「だから養護育ちは」という刃物で僕らの心を切り裂いた。


515 ::大人になった名無しさん::2010/03/15(月) 23:35:06
中卒で働く子も多かった。
養護施設の職員はいい人も多かったが、
実の両親ではない。
だから「中卒で働く」という僕らの仲間を本気で止めてくれる人はいなかった。
同時に、ここから抜け出したいという気持ちがあったのも事実だろう。
確かに劣悪という環境ではなかったが、
職員の中には「恵まれない養護施設の子供に優しくすること」で満たされている人間も多かった。
そういう人間は感情の起伏が激しかったり表裏が激しく、
僕らは子供の頃からそういったものに敏感になっていた。

差別は駄目だ。そう叫ぶ社会に差別はあり、
私たちは養護施設の職員ですという彼らの心にも暗い部分はあった。

虐待もあった。人身売買みたいな就職斡旋もあった。
社会に出ても親がいないということで冷たい世間の波に負けてしまうやつもいた。
僕は幸い成績がよく公立の普通科に進むことができた。

そして大学へも。
大学全入時代なんていわれているが、
養護施設では大学や短大にいける人間なんて
10人いても1人いればいい方という状況。
みんなが当たり前のように大学に進学するとき、
僕はただただ大学で勉強ができることがうれしかった。
同時にみんなの代表選手だから絶対に負けられないという気持ちもあった。

516 ::大人になった名無しさん::2010/03/15(月) 23:46:22
僕の育った施設は施設を出たら戻ることは決してない。
普通の学校みたいに卒業生がやってきたりとか、
ヤンキー母校に帰るみたいなこともない。
それはこの社会で生きていくためには過去を切り捨てなければならないことを15や18の頃には知っているから。
たとえその時に知らなくとも僕らはそのことを社会に出てすぐ知ることになるのだ。

施設を出るとき、ずっと施設で働いていて打ち解けていた職員に聞いてみた。
この時を逃したら永遠に聞けなくなるような気がして両親のことを聞いてみた。
「僕のお父さんやお母さんは誰なんですか」
彼は言葉を選びながらでもゆっくりと、
お前も聞いてきたかというような慣れた口調で話してくれた。
物心つく前に役所に置き去りにされていてここへ来た“らしい”と。
でもこの子をお願いしますという親なりの強い気持ちはあった“らしい”と。
“らしい”
なぜかこの言葉が強く心に焼き付いていた。

それから働きながらの大学生活がやってきた。
僕が司法試験を目指し始めた頃、ロースクール構想が現実のものとなった。
その後は僕も過去を切り捨てて普通の20代を過ごす事になる。
大学を出てローに入って新司法試験も合格することができた。
司法修習も終わり、今は弁護士として働いている。


517 ::大人になった名無しさん::2010/03/15(月) 23:53:53
最近、自分が直接受け持った事件ではないが、
親が警察に逮捕され残された子供が養護施設に預けられるというケースに出会った。

犯罪者の子供だなんて烙印を押されれば子供の人生まで潰れるわけで、
その子供は「役場に届けられた“らしい”
親は子供のことを最後まで大事にしていた“らしい”」
という肩書きを付されて養護施設に預けられた、とボス弁は話してくれた。
「子は親を選べないからなぁ」とこの世界にありふれた不条理を嘆くボス弁を前に、
僕は血の気が引いていくのが分かった。

“らしい”
これは曖昧でいい加減な言葉だ。
法律の世界でこの言葉を聞くときは
その背後に確かになっては困ることが隠されている場合が多い。
だが、その“らしい”はこの矛盾に満ちた社会で生み出された、
やさしさの断片のような気がして僕はならない。
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