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忘れられない食事とか心に残る味というものは
高級レストランで食べた美味しいものではなくて
小さい頃に食べた、母の作ったおにぎりとか
運動会とき校庭の隅で食べたお弁当だったり
縁日で食べた焼きそばとかだったりする。

それらは、どんなお店に行っても食べられ
ない美味さだし、お金では買えない味である。
味覚の中枢には、記憶というものが関係していて
不思議な作用がかくされていたりするのかもしれない。

そんなわけで。
きっこのブログの「父のビール」という話をよんでいたら
そんないろんなことを考えながら、切ない気持ちになったYO

⇒きっこのブログ「父のビール」

2006/10/08(日)記




(追記2015.1.28)



以下、きっこのブログ「父のビール」(2006.10.03)を抜粋、転載します

あたしは、ビールは高いからメッタに買わないんだけど、好きな銘柄は、「オリオンビール」とアサヒの「スーパードライ」なので、買う時は、このどっちかを買う。でも、ふだんは第3のビールばっか飲んでるから、ちゃんとしたビールなら、サッポロでもサントリーでも何でも美味しく感じる。

それで、ものすごくタマに、すごくいいことがあったりした時とかに、いつもなら「第3のビール6本」買うとこを「ビール1缶と第3のビール4本」に変更したりして、最初の1缶にビールを飲んだりする。

で、そんな時に買うのは、必ずアサヒのスーパードライだ。なんでかって言うと、あたしの行くスーパーだと、スーパードライはオリオンビールよりも安いからだ。「スーパーで買うからスーパードライが安くなってんのかな?」なんてことも言ってみつつも、いくら、スーパードライはオリオンビールよりも安いって言っても、やっぱりビールは高いから、メッタに買うことはできない。

‥‥ま、それは置いといて、あたしがスーパードライを好きなのには、ワケがある。それは、父さんがスーパードライ‥‥って言うか、アサヒビールを好きだったからだ。

あたしが小学校の時、父さんはもう別居してて、あたしは、母さんとおばあちゃんと3人で暮らしてた。それまでは、父さんも一緒に暮らしてたんだけど、あたしが小学1年生のころから、父さんはあんまり家に帰って来なくなって、そのうち、1ヶ月か2ヶ月に一度しか帰って来なくなった。

それで、小学校高学年のころには、もうぜんぜん帰って来なくなって、母さんから離婚したってことを知らされた。だけど、ぜんぜん帰って来なくなったって言っても、毎年、お正月と夏休みだけは帰って来て、お正月にはお年玉をくれたし、夏休みには海に連れてってくれた。

この辺のことは、未だに母さんから聞いてないから、母さんと父さんとの間でどんな話になってたのか分かんないけど、お正月と夏休みのことは、あたしのことを考えてのイベントだったんだと思う。

それで、お正月は、元旦か2日に帰って来て、半日ほど過ごしたら、あたしにお年玉をくれて、すぐに出て行くって感じで、うまく言えないけど、父さんに会えて嬉しいのと、よそよそしい母さんを見るのがイヤなのとで、あたしは、すごく複雑だった。だけど、夏休みは、2泊とか3泊とかで海に連れてってもらえて、メチャクチャ楽しかった。

父さんは、あたしを泳ぎに連れてってくれたり、釣りに連れてってくれたり、海にいる間は、あたしは父さんをひとり占めできた。その間、母さんは、ずっと民宿にいて、あたしは母さんのことも心配だったし、ホントはみんなで遊びたかったんだけど、母さんと父さんが一緒にいる時のギクシャクした感じを子供ながらに感じてたから、あたしは、「3人で遊ぶのはムリ」ってことを肌で感じてた。

あたしは、父さんが家に帰って来た時には、ホントは父さんに甘えたいんだけど、母さんの見てる前で父さんに甘えることが、なんか、母さんに悪いような気がして、どうしてもできなかった。

ホントは父さんに甘えたいのに、いつもガマンしてた。だから、夏休みの旅行は、年に一度だけ父さんに甘えられる特別な時間で、あたしは、民宿で待ってる母さんのことも忘れて、父さんと一緒に砂浜にお城を作ったり、潮溜まりでヤドカリを捕まえたり、海の家でかき氷を食べたり、思いっきり楽しんだ。

だけど、可愛い貝がらを見つけると、そこでハッと民宿で待ってる母さんのことを思い出して、「あ、これは母さんへのお土産にしよう!」って思って、拾ったりした。そして、今度は、父さんと一緒の時に、母さんのことを思い出したことが、なんか、父さんに悪いような気がして、父さんに見つからないように、コッソリと貝がらを隠したりした。

‥‥そんなワケで、うまく説明できない複雑な子供心なんだけど、海の家で、いつも父さんが飲んでたのが、アサヒビールだった。それから、お正月に父さんが帰って来る時に、母さんがいつも用意してたのも、アサヒビールだった。

だから、いつもはビールなんか入ってない家の冷蔵庫なのに、年末になると、ドアポケットのとこにアサヒビールが何本か並んでて、それを見ると、「あ、父さんが帰って来るんだ!」って、あたしは思ってた。だから、あたしにとって、アサヒビールってのは、父さんのイメージだった。

だけど、あたしが中学に入った年は、おばあちゃんが亡くなったりして、ずっと続いてた夏休みの家族旅行も無くなった。そして、それまで住んでた家を出て、アパートに引っ越したりもしたから、たぶん、このころから、父さんからもらってた生活費が、もらえなくなったのかも知れない。

そして、次の年のお正月も、父さんと会うことはできなくて、父さんの代わりに父さんのほうの親戚のおじさんが来て、母さんと難しい話をしたりしてたから、いろいろとモメてたんだと思う。

で、あたしは中学2年になり、朝刊の新聞配達をしながら、それなりに中学生活をエンジョイプレイしてたんだけど、もうすぐ夏休みに入るっていう7月のある日、アパートに帰ると、父さんが来てた。父さんと会うのは、1年半ぶりくらいで、ものすごく懐かしかったのに、中学の制服姿を見られたのが、なんか恥ずかしくて、すごく複雑な気持ちがしたことを覚えてる。

それで、その時、父さんは、「夏休みになったら海に行こう」って言った。母さんも笑ってるし、あたしは、すごく嬉しくて、「夏休みになったら朝刊だけじゃなくて夕刊も配ろう」って思ってたことなんか忘れちゃって、「うん!」って答えた。

だけど、これが、あとから考えたら、親権だとか何だとかの色んな事情で、あたしが父さんと会える最後の旅行だったみたいなのだ。あたしは、テッキリ、母さんと父さんと3人で行くもんだと思って返事したのに、あとから聞いたら、母さんは「仕事があるから」って理由で、父さんとあたしだけで行くことになってた。

小学生の時は、母さんは仕事を休んで3人で行ってたんだから、「仕事があるから」ってのは、単なるアトヅケの理由で、きっと、「父さんと会えるのは最後なんだから、私に気兼ねしないで楽しんで来なさい」っていう母さんのハカライなんだったと思う。

だけど、この時は、マサカ、この旅行を最後に父さんに会えなくなるなんて想像もしてなかったから、あたしは、「母さんは、父さんと一緒に行くのがイヤなんだろうな」って思ってた。

‥‥そんなワケで、夏休みになって、父さんはあたしを千葉の館山に連れてってくれた。それまでに何度か行ったことのある民宿で、民宿のおじさんもおばさんも顔を覚えててくれたし、すごく楽しかったんだけど、あたしは、小学生の時みたいにハシャゲなくて、海を見ながら父さんと話したり、夜は花火をしたりして、ワリとマッタリと過ごしてた。

それで、2日目の日に、父さんが、民宿の釣り道具を借りて来て、「堤防に釣りに行こう」って誘ってくれたから、あたしは、バケツを持ってついてった。

それで、父さんとあたしは、堤防の横のテトラポッドのとこに乗って釣りをしてたんだけど、テキトーにやってるワリには、10cmくらいのカゴカキダイとか、15cmくらいのニシキべラやキュウセンがチョコチョコと釣れたりして、なかなか夢中になれた。

で、2時間も釣ってると、ノドがカラカラになって来ちゃったんだけど、父さんもノドが乾いたみたいで、「何か飲み物を買って来るよ」って言って、海沿いの道にあった商店に向かってった。

しばらくして、こっちに歩いて来る父さんが見えたんだけど、父さんは、なぜだか、発泡スチロールの箱を抱えてながら、ヒョコヒョコと歩いて来る。それで、あたしは、「何だろう?」って思ってたら、父さんは、その発泡スチロールの箱を堤防の上に置いて、あたしを呼んだ。

あたしが、釣り竿とバケツを持って堤防まで戻ると、父さんが、発泡スチロールの箱のフタを開けた。中には、何本もの缶ジュースと、氷がいっぱい詰まってた。あたしは、2人なのに、なんでこんなに買って来たのかってことと、ビールが好きな父さんなのに、ジュースばっかり買って来たことを不思議に思ったんだけど、あたしがジュースだと思ったカラフルな缶は、ジュースじゃなくてビールだったのだ。

あたしに、「これがオレンジで、これがウーロン茶」って言った父さんは、それ以外に何本も入ってた、赤、黄色、緑の3色の信号機みたいな缶を1本取り、プシュッと開けて、いつも缶ビールを飲む時とおんなじに、ノドボトケを動かしながら、美味しそうにゴクゴクと飲み始めた。

「それ、ビールなの?」って聞いたあたしに、父さんは、「うん、アサヒビールのラスタ缶だよ」って教えてくれた。それで、あたしが、「ラスタカンて何?」って聞くと、ラスタカラーの意味とか、アフリカのこととか、レゲエのこととかを教えてくれた。ボブ・マーリィの名前も、この時、父さんから聞いたのが最初だった。

それまで、父さんは、「中学は楽しいか?」とか、「新しい友達はできたか?」とか、あたしのことを聞くばかりで、あたしのほうからは何も聞けなかった。あたしは、父さんが、母さん以外の女の人を好きになって、今はその人と暮らしてることを知ってたから、父さんのことを聞くことは、なんか、触れちゃいけないことみたいに思ってた。だから、すごく久しぶりに父さんと会えても、こっちからは何を話していいのか分かんなくて、父さんが聞くことにポツリポツリと答えることが多かった。

だけど、この時は、父さんのほうから、あたしの知らないことをいろいろと話してくれて、あたしはずっと聞き役に回ってたけど、すごく楽しかった。それで、アサヒビールのラスタ缶を何本か飲んで、ほろ酔いかげんになって来たみたいな父さんは、次のビールを取り出す時に、2本取り出して、あたしにも「飲んでみるか?」って言って差し出した。

あたしは、お正月に、父さんがビールを飲んでる時に、泡だけは飲ませてもらったことがあったけど、ちゃんとビールを飲んだことはなかった。それで、あたしは、「よし、飲んでみよう!」って思って‥‥って言うか、うまく言えないけど、大好きな父さんがこんなに好きな飲み物をあたしも飲んでみたくなって、その缶を受け取った。

あたしは、父さんと一緒にプシュッて開けて、父さんと乾杯して、ゴクゴクと飲んでみた。ビールの味は、泡で知ってたけど、初めてゴクゴクと飲んだビールは、当たり前のことだけど、やっぱり苦かった。

父さんは、「ぜんぶは飲めないだろうから、残したら父さんが飲んでやるからな」って言ってくれたんだけど、あたしは、苦かったけどすごく楽しかったから、ムリして1缶ぜんぶ飲み干した。そしたら、父さんは、「やっぱり父さんの子だな」って言って大笑いしてから、「お前がハタチになったら一緒に飲みに行こうな」って言ってくれた。

‥‥そんなワケで、いつの間にか酔っぱらっちゃったあたしは、父さんにおんぶされて民宿まで帰ったんだけど、横が石垣になってる細い坂とか、セミの声とか、今でも、父さんにおんぶされてた時のことを断片的に覚えてる。

そして、この時を最後に、父さんと会えなくなったあたしは、2年後か3年後くらいの高校生の時に、アサヒから「スーパードライ」って言う新しいビールが発売されたことを知って、「きっと父さんもどこかで飲んでるんだろうな‥‥」って思った。

高校生の時は、年をごまかして居酒屋さんでバイトしてたから、スーパードライを注文するお客さんがいると、ふと、父さんのことを思い出したりもしてた。そして、あたしがハタチになった時に、7年ぶりで父さんと会ったんだけど、かっこ良かった父さんは、すっかりおじさんになってて、あたしは大人になってて、なんか、すごく距離を感じた。

だけど、父さんが連れてってくれた銀座のお店で、メニューも見ずにスーパードライを注文した父さんを見て、あたしは、なんか、すごく嬉しくなった。だから、あたしは、アサヒのスーパードライが大好きで、今でも、特別な時に飲む銘柄に決めてる今日この頃なのだ。





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