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五木 寛之(いつき ひろゆき、1932年9月30日 -
日本の小説家・随筆家


五木寛之は、生後まもなく父の勤務について朝鮮半島に渡り、
12歳のときにピョンヤンで第二次大戦の終戦を迎えます。
旧ソ連軍の侵攻が始まり、日本人の財産は没収され、
略奪や暴行もあった混乱の中、母カシエが亡くなってしまいます。

終戦から二年後、幼い兄弟とともに命がけで38度線にたどりつき
ようやく日本に引き上げることができました。
しかし、そのときの凄惨な出来事、思い出などが、
五木のその後の人生に重い十字架としてのしかかります。

日本に戻り、19歳で早稲田大学に入学、さまざまなアルバイトで
生計と学費を稼ぎますが、結局学費を収められず、中退。
その後は、文才を生かし、ルポライター、PR雑誌、作詞家、
NHKのラジオ番組の構成などを経て、33歳で文壇デビューします。
その翌年、直木賞を受賞、「青春の門」や「風に吹かれて」など小説、
エッセイを発表し、たちまち時代を代表する作家となりました。

しかし、人気絶頂の39歳のときに休筆宣言し、
さらに48歳にも書くことが出来なくなってしまいます。
それはあの戦争の引き上げのとき、敗戦直後のことが、
なまなましく蘇ってきて、もう文章を書く気になれない、
休まざるを得ない状態になってしまっていたのです。

二回目の休筆後、仏教史を学び、親鸞、蓮如を学びます。
そのときに「他力」という思想にひきつけられます。
そして51歳になり、長い間封印してきた、引き上げの記憶を
書くようになります。

69歳になった2002年、終戦直後に亡くなったお母さんのことを
初めて文章にしました。(「運命の足音」)

それは母親から、「そんなふうに自分を責めなくていいんだよ」と
「そのことは話していいんだよ」と母親から声なき声がしたからでした。

「お前は生き残れ!」「生き残ってそのことを語れ」と誰かに
言われている気がしたのです。

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以下、2014年10月29日、NHKのゆうどき
「人生ドラマティック」にて(生放送で)
五木寛之(82歳)が語ります。

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「引き揚げのことは、"誰かの声なき声が聞こえたから書かされた"
とおっしゃっていましたけど、これはどういうことなんですか?」(山本哲也アナ)

「実際は、そのことの入り口をちょっと書いただけで引き返したんです。
実は書いてないんです。ほんの一部分だけを書いたけれど、やっぱり書けないんです。
それ以後、そのことには触れてません。引き揚げの歴史ってのは、日本の歴史の
大きな部分だからって”記録センター”っていうのを作ろうとしたんです。
それで録音機を担いで、そういう凄惨な体験をした満州の引き揚げのかたがたを
取材して聞こうとするんだけど、皆さん”いろいろございました”って言って
語ろうとしないんです。いまなんとかやってますからって、話してくださらないんです。
逆に雄弁に語る方々もいましたが、他人の体験と自分の体験が入り混じっていたり、
起承転結うまくいきすぎて、ちょっと信用ならない感じがしたんです。
これはダメだって思いました。結局このまま、人はかかわりたくないことは、
心の中に封じてしまうのは、しかたがないんだなあと。
自分もそれに対して無理をして書いたり、語ったりすることをやめて、
実際には引き揚げのことを100分の1も書いてないんです。
これから先もなかなか書く機会はないんだろうと。」(五木寛之)

「最近では戦争体験を風化させまいと、若い人に残しておかなければいけない
といろいろ語るかたも増えてきましたよね」(山本哲也アナ)

「それはそうだけど、それは、ある意味被害者としての歴史なんです。
私たちはやはり、三人の中で一人が生き残ったときに、他の二人を蹴落としてでも
生き残ってきた、悪人だと思ってるんですよ。
清い人は、引き揚げることができず戦地に残された。
人を押しのけてエゴの強い悪人だけが生き残ってきた感覚があるもんですから
そういう自分が許せないじゃないですか。みなさんそうだと思いますよ。
無事に引き揚げてきてよかっただけではなく、なにかこう心の中に・・
だって北朝鮮にあの当時置き去りにされて、売られたりされた子ども達が
どれだけ・・何千人、何万人っているでしょうから。いきさつも知らずに赤ん坊のまま
置かれてきた人がいっぱいいるわけですから。何か無言のプレッシャーを
日夜感じますよね。この年になって、できるだけそういうことを忘れて生きていこうと
努力はしていますけど、なかなか大変ですよ。」(五木寛之)

「親鸞をお書きになったことと、引き揚げの体験が繋がっているのでしょうか?」
(山本哲也アナ)

「おっしゃる意味は凄く分かります。
自分の存在ってのは、外に見せている部分では、それなりに体裁よく生きてるけども
実は悪にまみれたなんともいえない酷い人間だってことをよくわかってんですよ。
そういう人間はきっと許されないだろうと心の底では思いつつ青春時代を
すごしてきていますから。ほんとに青春を謳歌する瞬間はなかったですね。
ずっとどこかに自分は許されない、悪人だと思いこんでいるから。
そこで親鸞が、悪人もちゃんと救われるんだよと言われると
ええっ??っていうショックを受けますよね」(五木寛之)

「そうした五木さんの影の部分と、親鸞の目の奥の暗さがあるという部分と、五木さんと繋がるものあるなと思ったんです」
(山本哲也アナ)

「日本全国各地にそういう人が実は物凄くたくさんいると思います。
古い言葉に、君看双眼色 ( きみみよそうがんのいろ ) 不語似無愁
(かたらざればうれいなきににたり )、これは僕が好きなんですよね。
そのことを辛かったとかなにも言わずにいつも静かにニコニコと、
だから何の憂いもないように見えますね、でも辛いことがあった人が
日本全国たくさんあってそれぞれが、家族にも子どもにも、
親にも言えないような無念を抱えて生きてる。
これが親鸞を書く上でどっかで通じていることなのかもしれません。
自分自身さえもこんなふうにコントロールできない人間ですから。
いろんな周囲の力とかそういうふうにあって実現していくものですから・・
いいかげんに聞えるかもしれませんけど、うまくいったら他力のおかげで
いったんだと思って、うまくいかなかったら俺は頑張ったんだけど
他力の風が吹かなかったんだと思って。
あんまり、くよくよしないっていう、凄く有難い、考え方なんです」(五木寛之)

「親鸞を書いて自分自身の人生を書いているという意識ありませんか?」
(山本哲也アナ)

「うーん、はたして自分の人生ってあるのか、ないのかね。
人間は人間関係の中で生きているわけで、
一人の人生を生きているってことは周り人に迷惑をかけながら、
それを支える人たちと一緒に生きてるわけですから。
世の中で生きていくには、たとえばススキとかは
周りの植物を枯らして生きていくわけです。
同じように一人の人間が陽の当たるところで生きているということは、
たくさんの人に迷惑をかけ抑えて前に出て行くわけです。
競争社会では前に行く人はみんな悪人。
成功者といわれる人はみんな悪人なんです。
人に知られず、ひっそりと孤独に生きている人たちが
正しい生き方なんだろうと思います。
世に栄える人はみんな悪人だと思いますね」(五木寛之)

「(親鸞と自分は)全然違いますね。(親鸞は)非常にストイックな方で
厳しく自分を律する人でしたから、自分はいいかげんで・・・」(五木寛之)

「そうかなぁ?非常に似て、ストイックだと思いますけど・・」
(山本哲也アナ・合原明子アナ)

「視聴者の方から頂いた手紙、メールの中で
五木さんのおっしゃる”憂愁を大事にする”という言葉が
好きだというのがありましたが、これはどういうことですか?」
(リポーター佐伯アナ)

「憂愁を大事にするというのは・・
戦後、わたしたちはプラス思考一辺倒でやってきた感じがあるんです。
笑い、ユーモア、明るく前向きに生きていたら人生うまくいくという。
そいういう発想で暗い気持ちになると、マイナス思考になってはいけないと、
自分を叱咤激励しながら、涙とか泣くとか悲しむとかから
逃れようとして生きてきたんです。
でも本当はそうじゃなくって、柳田邦男が「涕泣史談」という本で
最近の男は泣くことを最近は忘れてるって指摘してます。
実は、泣くということは日本人は、スサノオノミコトみたいに、荒ぶる神でもね、
海を枯らし、林を枯らすほど、豪快に泣いたわけです。
日本人は泣くということを、大事にしてきた国民なんです。
ときには、どうにもならないとき、涙をこぼして、泣くとか悲しむとか、
マイナス思考だって言われてることは、そうではないんですよ。
悲しむことって大事なことで、喜ぶことと悲しむこと笑うことと泣くこと
プラス思考とマイナス思考、どちらも大事なんです。」(五木寛之)

2014.10,29 NHK「ゆうどき」 より


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