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ベッドから垂れ下がっている手に何かが触れた。

よしよし。
しばらく撫でてやると、ふいっと手ごたえがなくなる。
そして、気配も消えていく。

自分が住んでいる部屋の窓をあけると、
すぐ隣の家の壁になっていて、その間にブロック塀がある。
人が通れないせいかネコたちの通り道になっていて、
窓に影が映ることが多い。

ときどき、今日みたいに窓を開けていると、
部屋のなかに入ってくるネコもいる。たいていは寝ているときだ。
警戒しているんだろう。
起き上がって相手をしてやろうとすると、逃げてしまう。

そのくせ、眠っていると寄ってくる。
そして、撫でてやると、安心したように出ていく。
気まぐれなのだ。
とても。

さいしょは、姿を見てやろう、と思っていた。
だいたい、いつも来るネコは同じなのか、
何匹かのネコが入れ替わり立ち替わりで入ってくるのか、
それさえもわからない。ろくに姿を見たこともないのだから。

けれど、この頃は、もう、気にならなくなってきた。
この部屋はただの通過点なのだ。

ときどき一休みするため、あるいは気まぐれで道草を食うために、
ただ寄っていくだけなのだ。そんなものだ。
そう思うようになった。

ときどき胸の上に何かが乗っているように、妙に息苦しくなることもある。
なにかが首に巻きついているような感じがすることも。
身体が動かなくなることもある。

たぶん寝ぼけているからだろう。
でも、わかっている。
ふざけているだけなのだ。
そのくせ、臆病だ。
とても。

だから、眠っているときにしか近づいてこない。

よしよし。
ぼくは、すり寄ってくる「何か」を撫でてやる。

手応えがあるのかないのか、半分眠っているから、よくわからない。
「何か」は、しばらくの間、気持ちよさそうに撫でられているけれど、
そのうち、ふいっ、と気配が消える。




選評-
他愛のない猫話だと思って読みすすめた読者は、末段にいたってそれが、猫ならぬ「何か」の妖異談である可能性に卒然と気づき、あらためて冒頭の一行から読み返しては……随所にヒヤリとしたものを感じるに違いありません。
ミニマムなスタイルにふさわしい、鮮やかな技巧と申せましょう。
(雑誌「ダヴィンチ」のサイト創作教室から)
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