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ところで、私の友人に一つの説を成す男がいる。

彼の説によれば、人間には鳥類人間と魚類人間の二種類のタイプが存在するのだと言う。彼が、あるいは彼女が、鳥類人間か魚類人間であるかは、その人がどのような夢を見るかで判断できる。

つまり、鳥のように自由に空を飛びまわる夢を頻繁に見るようなら鳥類人間であるし、魚のように深海を巧みに泳ぎ回る夢を見るようなら魚類人間というわけなのだ。

これは人類に鳥から次第に進化していったものと、魚から進化していったものの二通りの種族があるからで、夢に出るのは心の奥深くに眠っている空と海への郷愁が不意に羽ばたくからなのだ、という。

あるとき中島みゆきと話していて、この虚説を思い出した。

「あなたは飛ぶ鳥と泳ぐ夢どちらを見ます?」と聞いてみた。もちろん、飛ぶ夢ですという答えが返ってくると思っていた。なぜ、もちろんなのかというと、彼女に「この空を飛べたら」という曲があり、その中に次のフレーズがあるからである。

ああ 人は 昔々 鳥だったのかもしれないいね
こんなにも こんなにも 空が恋しい

ところが意外にも彼女の答えは違っていた。いつも見るのは、海を軽やかに泳いでいる夢なのだという。

「私は魚なんだわ」

彼女はそう呟いて面白そうに言った。

そして、逆に私に向かって尋ね返してきた。

「どちらの夢を見ます?」

「それがどちらも見ないのです」

私がそう答えると、彼女は意外そうな表情を浮かべた。

しかし本当にどちらも見ないのだ。
「全然?」
「全然」

そう答え、しいてあげれば、堀から堀へ、屋根から屋根へ、ビルからビルへ、跳躍しながら飛び移っていく夢を見るくらいだろうか、と私が言うと、彼女は突然、奇異な動物を見るような目つきになった。

そういえば、友人に同じように尋ねられ、同じように説明すると、自説に適合しない人間の存在を認めたくないという思いを込めて、彼は私にこう言い放った。

「おまえは、鳥でも魚でもなく、根っからのサルだったんだろうよ」

中島みゆきも私に軽口を叩けるほど親しければきっと同じことを言ったに違いない。まあ、それもいいだろう。それにしても、鳥でも魚でもなく、ましてや豹や狼でもなく、ただのサルの生まれ変わりだとは、なんと夢のない話だろう。




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